トップページ施術例紹介

当院での施術例患者様の了承をいただいた例のみ、匿名で一部紹介

頭が重い、頭が痛い 頭が痛いって、いやですよね〜

う〜ん、頭痛

50代前半の男性、技術職、頭のひたいあたりからてっぺんにかけて鈍い痛み。後頭部も重い感じ。頭痛に付随して吐き気あり、めまいはないが、時々目の焦点が合わせづらいことがありましあた。 発現は不定期で、たいてい日中から夕方にかけての時間帯に起こり、就寝まで続く。翌朝に消えていることが多いが、軽く残っている時もある。 パソコンに長時間向かっていた時に起こりやすいような気がするが良くわからない。夏の昼間まぶしい陽光を浴びた数時間後に始まったことが何度かあった。 寒冷、いきみで増悪、入浴で軽減する時が多いが、一時的。床屋で肩がかなりこってると言われたが自覚なし。仕事のストレス多。定期的なスポーツなどはしていない。本人は、頭痛よりも吐き気がつらいということでした。

一部、偏頭痛のような印象を受けますが、緊張型のパターンも見られるようです。肩こりは確かに有りましたが中程度のコリ。それよりもむしろ後頭下部(ボンのクボ)の緊張が強く、この部分が全体的に厚ぼったい感じでした。 ここは後頭部から額にかけての神経が首から出ているところで、ここの筋肉(僧帽筋や後頭下筋群)の緊張は後頭部の頭痛を引き起こすことがあります(いわゆる緊張型頭痛、後頭部を中心とした締め付けるような頭痛が特徴)。 そして、その筋の緊張によって神経が圧迫されるからなのか、代謝産物で血管が腫れて神経を刺激するからなのか細かいメカニズムは解かりませんが、緊張型の頭痛を火種にして偏頭痛など血管性の頭痛が起こることがあるようです。

この男性の場合、パソコンに向かうときは知らず知らず背中が丸まり、アゴから顔が前に出た姿勢になっているそうです。そして、後頭部に重い感じを時々感じてはいたそうです。 案の定、現代人には珍しくない、いわゆる「ストレートネック」でした。

先ず、後頭下部に優しく指先で触れて、軽〜い圧迫で深い所の筋群を緩めることをしました(筋・筋膜リリース)。(ここは敏感なところですし、強くもむと血管や神経を痛める恐れがあります。)。  次に、これからが大事なのですが、首(頚椎)の自然なカーブを維持するのを妨害している、頚椎の動きのおかしな部分を探しました。たいていは下の方の頚椎が上手く反れなくなっているのですが、この男性もそうでした。 反る動き(伸展)をしやすくなるよう矯正しました。ここまでで後頭部のおもだるさはすっきりし、なんとなく視界もクリアになったとおっしゃてくださいました。 さらに、頚椎の動きの異常と関連があると考えられる背骨(胸椎や腰椎)も調べ(実は先に検査してあるのですが)、これらも矯正をしました。

その日の施術はそこまででしたが、次回以降の施術で、より全身のバランスを整えるために、骨盤や下肢も整えていきました。問診で伺ったその他の症状や生活習慣の内容から、頭痛と吐き気に関連するその他の何かがあるのではと思い、 SOTの検査の一つを行い、疲れている内臓の疲れを取り元気づける操作をしました。

この例のような生活習慣と関係の強い頭痛は、とにかく小さな火の段階で消火し、大火にしないことが大切です。 ドントファイヤー!

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背中の張り 頑張りすぎだけではない可能性も

検査7

60代前半の女性。主婦、パート従業員、ボランティア活動など精力的にこなす。肩から左右の肩甲骨の間の背中にかけての張り、肩も背中も、もんでもらいたい感じ。忙しい日が続くと症状が強くなる。
 姿勢を観察すると、背骨の前後の彎曲が少なく、かすかにS時上の側彎も見られました。特に左右の肩甲骨の間の背骨(上・中部胸椎)の後彎が少なくストンと平らな様子。 腕を上にバンザ〜イのように上げる動作は硬く、腕の上がり具合に左右差がありました。

触診を行なうと、背骨のすぐ脇の筋肉(脊柱起立筋)の緊張が強い。広背筋も緊張に左右差が見られて、骨盤には捻れが、骨盤の関節(仙腸関節)の片側に動きすぎの印象を受け、 左右の脚の長さと股関節の開き具合にも差が見られました。おなかの奥にある、背骨の両脇の筋肉(大腰筋、腸骨筋)の片側の緊張が強かった。腰椎に一ヶ所、腰を反らす動き(伸展)とひねる動き(回旋)の 硬いところ(可動性の減少した関節)があり、両肘を結んだ位置くらいの背骨(下部胸椎)にも同様の硬さが見られました。

その腰椎と下部胸椎をモービリゼーションで矯正し、可動性を改善するようにした処、肩甲骨間の緊張が和らぎその部分の後彎も少し見られるようになりました。
 次に、左右の股関節の可動性を比較し、ここも可動性を改善するようにしたところ、骨盤の関節(仙腸関節)に締まりが取り戻せました。同時に大腰筋、腸骨筋も少し緊張がほぐれたのですが、初回は積極的に緊張緩和を 急ぐことは避けました(仙腸関節の安定がまだ本物ではないおそれが大きいため、防御的な緊張を除くことは危険があるからです。)。

二回目の来院では、前回の施術効果がどれだけ維持できているかを確認し、再発している箇所には初回と同様の施術を行い、仙腸関節をより詳細に検査し、やはり不安定であったので 大腰筋の緩和操作も今回は行なって、股関節のバランスを再び整えてから、仙腸関節を矯正した(仰向けで骨盤の下に矯正用のブロックを挿入しました(SOTの方法)。これで脊柱起立筋と広背筋の緊張も、より和らぎました。

背中の張りは、内臓の疲れ(東洋医学でも、人それぞれ弱点の臓器があるようです。)から起きることも多いので、それに気を配りながら月に1回のペースで定期的に施術をさせてもらってます。

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腰が痛い 当院で最も多い来院理由、原因は多様

こっ!腰がっ!

30代前半の男性。会社員、営業職。休日に車庫の掃き掃除をしていたところ突然「ギュクッ」っとした感じで腰に痛みが走った。だんだん痛みが強くなってきたので、発症の翌日夕方に来院。
 今までにも何度か同じようなギックリ腰をしていた。以前に整形外科を受診したことがあったが「骨に異常はなく、痛み止めの張り薬を貰っただけ。」という 申告。
 前かがみは痛くてできない。腰を反らすのはさほど痛くない。痛いのはベルトの高さくらいで真中から少し右のあたりにかけて。尻も少し重だるい感じの痛みが出てきた。横に寝ると楽、夜も眠れてはいたそうです。
 後ろから姿勢を見ると上半身が重心線からズレて、腰から「く」の字になっていました。腰の痛みをかばって立っている様子、まっすぐに戻そうとすると痛みが強くなります。

SLRtest

太腿やふくらはぎには痛みがなく、仰向けで片脚を伸ばしたままベッドから持ち上げる検査で痛みが出ることはなかった。ただ、約一日痛みを我慢して動いたためか股関節の動きが硬かった。 膝のお皿の下の腱を"コン"と叩いた時に太腿の筋肉がピクッとなる反射、同じくアキレス腱を叩いた時のふくらはぎの反射は正常。膝の伸展の筋力も問題ありませんでした。

腰椎模型

痛みを感じているところを後ろから前に押しても、はっきりとした明確な痛みは再現できず、浅い表層の筋に腫れは感じられなかったが、緊張はありました。より深いところまで届く「じんわ〜り」 とした圧で押すと、似た痛みが再現できました。腰の背骨の関節(腰椎椎間関節)の可動性が減少したところがあり、すぐ下の関節は反対に可動性が亢進していました。
 こういう時は腰をそらしても痛みが強まることが多いのですが、この男性はそれほどでもありませんでした。主な痛みは可動性の減少した関節を動かすときに起きていて、可動性の亢進している関節は 今回の腰痛に直接の関係は薄いのではないか。お尻の重い感じの痛みは腰をかばうなどの二次的なものではないかと考えました。

カテゴリーVブロッキング

痛みが出てからまだ日も浅く、動きすぎの関節もあることから今回は、うつぶせ寝になってもらい骨盤の下に矯正用のブロックを入れ、数分間楽にしていてもらいました。(軽い人はこれだけでもけっこう良くなります)
 数分後、動きの悪かった関節を触診するとまだ充分な変化はなかったので、ブロックの角度を少し修正し、また数分間楽にしていてもらい、数分後、再触診をし、もう少し良くしたいので、直接モービリゼーションで可動性を改善しました。

そして姿勢を再確認すると、「く」の字にならずに立てるようになっていました(前かがみのときの痛みは半減)。翌々日の再来院を約束してこの日の施術終了。

ギックリ腰が出やすい条件はカイロプラクティック的にはそろっていたので、定期的な施術を勧めたが、仕事が忙しいのと、のどもと過ぎれば・・・ で、その一年後に再来院。だから言ったのに〜!

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股関節の不調 痛みがないからといって・・・

「股関節が痛くって痛くってっ!」っていう理由で来院される方はあまり多くありません。ところが、股関節の可動性を調べると左右差のない方は見たためしがありません。 勘の良い方で「座っている時間が長かったりすると、股関節が凝り固まった感じになって歩きにくく、そのあと腰の痛みが強くなるようだ。」と仰った方がいらっしゃいました。 30代後半の男性、運送会社の事務職(以前は運転手)の方です。

トラックの運転も長時間のデスクワークも、どちらも股関節を曲げた姿勢(屈曲位)を長い時間強いられます。特に運転中はその姿勢を積極的に保つように筋肉が動員されます。 筋の緊張によって筋肉内の小血管が圧迫され、するといざ股関節を伸ばそうとしてもすぐには伸びてくれません(筋肉は緩む時にもエネルギーを必要とします)。要するにコリですね。 その状態で歩くと、脚を後ろに送る際、骨盤に前方への回転力が強くかかることになります。骨盤の仙腸関節が正常なら、それも耐えられるのですが、この関節に緩み(可動性の亢進)があると、 一歩一歩ごとに負担が強くかかり、関節の痛みを伝える神経が大量に刺激され、「腰が痛いっ!」となると考えられます。

後方から側面から、この方の立った姿勢を見ると、膝が曲がり、股関節が曲がり、お尻が落ち、みぞおちが凹み、あごを突き出した状態。左右の骨盤の高さにも差があり、背骨はかすかにS字状に彎曲していました。 肩の高さ、耳の高さも左右で違っていました。そして、骨盤を重心線上に維持し難くなっていて、微妙な骨盤の横揺れが見られました。

股関節マイクロけん引

先ず、寝た姿勢がストレスにならないよう股関節を緩めることから始めました。検査をして動きの悪いほうの股関節を、抵抗する反応が起きないよう微妙なけん引力でけん引し (+その他もろもろ)、可動性を回復させました。
  次いで股関節の筋群を支配している神経の出ている背骨の関節にも、動きの良くないところがあったので矯正しました。すると立って歩いてが苦なくできる様になりました。

カテゴリーUブロッキング

でもこれでは不十分です。SOT特有の検査でも仙腸関節の不安定のサインが見られたので、 仰向けで骨盤の下に矯正するブロックを入れ、骨盤と仙腸関節のバランスを修正しました。

ここまでやった上で骨盤ベルトをして歩くことは良い刺激になるのですが、このような方はバランスが乱れたまま無理に歩くと、仙腸関節を乱す悪循環に嵌りやすく、注意が必要です。


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膝の不調 痛くなる前に予防を・・・

膝が痛くて痛くて

高齢の女性来院者の多くが膝の痛みを抱えています。

70代前半の女性、主婦、在宅介護。時々所属団体の事務的仕事など。
  変形性膝関節症。階段の昇り降りがつらい。たくさん歩くと膝がギシギシ鳴り出し、翌日から痛みが強くなる。

40歳代の頃からもう膝が痛み始めていたそうです。小学生の頃、小児リウマチだった。肝臓、腎臓、心臓に持病あり。との申告。

仰向けでは膝裏の隙間が広く、完全に伸ばすことができません。明らかにO脚で、左右の膝関節とも変形が見られ、関節の内側部に骨の増殖による盛り上がりを触れました。 膝の曲げ伸ばしをすると、この盛り上がり部分を「ゴックン」と腱が乗り越える音がして痛みが走ります。 膝の関節の内側の方は、前後にも左右にも上下にも可動性が減少していました。骨盤の外側から大腿〜膝の外側にかけての広く長い靭帯(腸脛靭帯)も突っ張った張りがあって、 股関節での脚を閉じる動作(内転動作)も、しづらくなっていました。骨盤は全体的に後に傾き、平べったいお尻になっていました。背骨は全体的には柔軟性がありましたが、 へそより少し上の椎骨に可動性が減少しているのを見つけました。それと肩甲骨の間の胸椎にも発見。

腰椎はモービリゼーションで可動性を改善しました。骨盤は正中にある仙骨という骨が捻れて傾いていたので、これは関節を適合させるような丁寧なモービリゼーションで傾きを治すように改善しました。 これでおそらく膝への神経の働きも整ったはずです(痛みのため膝の筋力テストは曖昧で信頼できないため、気弱な表現です)。
 そして膝です。比較的痛くないほうの膝(というか現在の主軸になっている方の膝)からまず見ていきました。これは何十年も悪かった膝が急に良くなるわけもないので、 まずは体重を支える軸足のことから考えたからです。膝の関節を少し広げるようにけん引しながら、可動性の少ない内側の部分を優しく動かし可動性を改善させていきました。 これで膝の裏が少し伸びてきました。反対側の膝も同じ方法で可動性を改善しました。この日はここまでで施術終了。無理をしなければ、一週間くらいは調子が良いそうです。 後日の来院では足首なども施術して膝への負担をやわらげる事をしました。

とにかく変形のある高齢者の膝は一進一退で時間がかかります。施術後の調子の良いときに、喜んで動き回られたり、日々できなかったことを取り戻そうと無理をなさる方がいらっしゃいますが、 ここで無理すると腫れたりしますよ。あまり御無理なさらないようにお願いしますね。

今後、手術を予定されている方も、術後の回復、リハビリを考えれば、筋肉や靭帯の弾力性を維持しておくこと、全身のバランス維持能力を高めておくことが大事だと思われます。お手伝いしますよ。

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自律神経の不調 ストレス〜混乱〜免疫機能への影響も

自律神経失調

自律神経系の乱れにストレスが関わっていることは明らかなのですが、どんなストレスなのか特定するのは難しいことです。単一とは限りませんし。季節によっても現れ方が違いますし・・・ ただし、どれか一つでもストレスを和らげることができれば、回復の可能性もあるといえます。カイロプラクティックで考えられるストレッサーとそれを除く手段についてお話します。

人の身体には、痛み刺激によって興奮する神経があります(侵害受容性神経)。この神経の興奮が弱まることなく大脳の前頭葉に到達し、過去の体験と照らし合わせるなどして「痛み」の認知が発生します。痛みを経験します。
 この間、途中で何回か神経線維を乗り継ぐのですが、その乗り継ぎ駅「脳幹」(=生命活動にダイレクトに関わるところ)で、別の路線にも興奮が伝わっていきます。
 呼吸や心拍、体温調節、消化吸収などなど生命活動に関わる自律神経の系路にも興奮が伝わり、これらの活動に影響を及ぼします。このこと自体は自然な反応で必要な反応なのですが、 痛みの刺激があまりに頻繁だと(初期の慢性痛など)色々な路線を開発して、正常な反応を変容させてしまいます。自律神経系の不調にはこのようにして起こるものもあります。

カイロの施術で行なう関節の矯正は、関節組織のセンサーに刺激を加え興奮させます。このセンサーは、関節の骨の位置、関節包や靭帯などへの力のかかり具合の情報を上に伝えるセンサーです。
 これはこのセンサーからの信号は大切な信号なので、痛みの信号よりも優先的に伝えられる傾向があります。本来はそうなのですが、可動性が減少したり亢進した関節ではこの信号が 発信される頻度と、痛み信号の発信される頻度のバランスが崩れるため、上で説明させていただいたように痛みと関連した自律神経系への路線が増え、痛みで自律神経系が乱れ安い編成に変性して行きます。(中枢性の慢性痛もこのメカニズム)

全身のどの関節でも同じメカニズムがあります。関節の可動性を改善することで正常なセンサーを起動させ、無用な痛み信号の発信を抑えることになります。結果的に自律神経系への悪影響を防ぐことにつながります。

カイロプラクティックなど手技療法で自律神経系が安定する現象の一面にはこのようなメカニズムがあると考えられます。

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